私自身、ときどき彼の数学の授業を担当しました。

貪欲に問題を解くその姿勢は頼もしいものでした。

問題を解いていて行き詰るたびに、私はヒントを出します。

Ｓ君はそのヒントを忘れないようにと、授業中に解いた問題は必ず後に独りで解いていました。

そして教室にある問題集から類似の問題を探して、自習スペースで勉強していました。

授業を通して自分が苦手とする問題のタイプもよく理解したので、そうした問題にも向き合っていました。

Ｓ君もよく自習に来た生徒の一人です。

数学に関しては、自習の合間によく私に質問してきたことを思い出します。

後にＳ君から聞いたのですが、法政大Ｔ方式の数学はほぼ満点だったそうです。

Ｓ君のように得意な科目のレベルを徹底的に上げてライバルと差を付けるのも、合格するための一つの方法です。